長岡京市第3次総合計画第3期基本計画(平成23~27年度)抜粋

第2章 本市を取り巻く動向と課題


第1節 社会経済の動向


7.市民との協働による持続可能な社会づくり

これまでは、行政が主体となって多くの公共サービス※6を提供してきましたが、公共サービスに対するニーズが高度化・多様化する中で、すべてを行政が担うのではなく、市民やNPO※7、市民団体、企業などを含む多様な主体が分担しあい、それぞれの役割を担うという考え方が注目されるようになっています。地域の防犯や美化活動、地域福祉をはじめとする分野の中で、行政以外の主体がよりきめ細かなサービスを提供できる活動は多く、また、そのような活動の担い手となりうる市民団体やNPOの数も増加しています。
人を支える役割を行政だけが担うのではなく、教育や子育て、まちづくり、防犯や防災、医療や福祉などに、NPOなどの市民活動団体や地域でかかわる人々にも参画を求め、それを社会全体として応援をしようという概念である「新しい公共」は、あらゆる分野で浸透しつつあります。また、「自助・互助・共助・公助※8」という概念も重視されるなど、地域においても、これまで地域コミュニティの中核を担ってきた自治会と、地域力向上のため新たに立ち上げようとしている地域コミュニティ協議会※9などの各主体が情報交換を図りつつ、連携して役割を分担しあう取り組みが進められています。
今後、多様な主体と行政との協働による公共サービスの提供をますます推し進め、コミュニティにおける人々のつながりや、一人ひとりがまちづくりに関わる意識を高めることで、財政面でも、持続可能な社会づくりを進めていくことが求められます。
※9 地域コミュニティ協議会……さまざまな地域課題を解決するために地域が一体となり、自治会や地域各種団体を中心にさまざまな団体などが参加する小学校区単位の組織。
第3節 21世紀初頭の本市の基本的課題

1.21世紀のコミュニティづくり

ライフスタイルや価値観の多様化が進む中で、市民の地域とのかかわり方も変化してきています。行政はこれまで、市民がより住みよいまちづくりに向けて、各種の施設を整備するとともに、生涯学習やスポーツ活動、コミュニティづくりなど、市民の自主的な活動を支援するための様々な施策を展開してきました。
今後も、教育や文化、福祉、環境など、あらゆる分野における市民の自主的な活動を支援するとともに、活動の成果を生かすことができる機会の提供などを通じて、地域社会に貢献できる人づくりを進めていく必要があります。
また、これからは、行政の支援に加えて、地域で脈々と活動を続けている自治会や、地域コミュニティ協議会の設立などを通じ、市民が主体的にお互いを支え合い、助け合うことで、地域の課題を解決できるような仕組みづくりを進めていく必要があります。
第3期基本計画
2.第3期基本計画の方向性
第3次総合計画では、本市が目指すべき将来都市像として、「住みつづけたい みどりと歴史のまち 長岡京」を掲げています。
第3期基本計画では、この将来都市像を実現するために、第2期基本計画を継承して6つの分野を設定し、それぞれの分野ごとに取り組むべき施策や事業を整理していますが、この基本計画の期間(5年間)において特に重視すべきテーマと、施策や事業を推進するための重点方針などを以下のとおり定めました。

(1)重点テーマ(特に重視すべき分野横断的なテーマ)

第3期基本計画に示す施策や事業は、いずれも重点的に取り組むべきものです。その中でも、近年の社会状況や市民ニーズを踏まえ、今後の5年間において特に重視すべきであり、かつ、施策体系を超えた横断的な取り組みを要するものを重点テーマとして取り上げます。
①新しい都市基盤の構築とその活用による「交流・活力・にぎわい」の創出
②市民が誇る「水」と「みどり」の保全・再生による“環境の都”づくり
③だれもが安心していきいきと暮らせる「健康・福祉」の推進
④「安心・安全」のまちづくりの推進
⑤住民が地域の課題を解決する「地域力」の向上
⑥文化に親しみ、教養を深める機会を創出する「文化力」の向上

⑤住民が地域の課題を解決する「地域力」の向上

まちづくり市民会議では、地域コミュニティにおいて、子育て世代や高齢者をはじめとする住民相互の見守りや支え合いが重要との意見が示されました。
本市では、地域住民がともに支え合い、地域の課題解決や活性化につながる取り組みへの積極的な参画を促すため、小学校単位の「地域コミュニティ協議会」の設立を推進しています。また、自治会についても、自主防災組織の結成など、地域における活動を脈々と続けています。これらの地域における活動や交流の場として、多世代交流ふれあいセンターなどの施設を整備しました。
学校では、社会人講師の登用など、地域の人材を活用した授業や、学校が求める内容を学校支援ボランティア※1に依頼し、様々な支援活動を進めています。
今後は、地域住民がお互いにその知識や経験を生かし、地域の課題やニーズをとらえ解決できるような「地域力」と、それらを柔軟にサポートする体制づくりが求められます。

「コミュニティにおいて、地域住民がお互いにその知識や経験を生かし、課題解決ができるような「地域力」の向上をめざします。」

 

■主な取り組み

●地域コミュニティ
●多世代交流ふれあいセンターにおける活動や交流の場の提供
●社会人講師や学校ボランティアの活用