長七小校区地域コミュニティ活性化推進計画

 

Ⅰ はじめに

 平成21年度本市重点施策である地域コミュニティ活性化事業をモデル地区として長七小校区で実施しているものである。
 この地域コミュニティ活性化推進計画は、長岡京市及び長七小校区の将来を展望し、作成したものであり、今後の活動の指針である。
 この推進計画は、平成22年度から平成24年度とする。

 

Ⅱ 校区の現状

1 校区の概要

①人口        市全体 79,449人
            長七小校区 6,741人(今里地区の長三小校区人口を含む)
②世帯数       市全体 33,462世帯
            長七小校区 2,789世帯(今里地区の長三小校区人口を含む)
③少子化率及び高齢化率 (H21.4.1現在)


少子化率%
(15歳以下)
高齢者率%
(65歳以上)
本市全体 14.3 20.2
長七小校区 13.0 21.7
小畑町 24.6 11.6
柴の里 34.1 10.3
野添1丁目 18.2 13.5
野添2丁目 15.0 15.0
一文橋1丁目 12.6 16.8
一文橋2丁目 27.8 10.0
GF長岡京 未統計 未統計

 

④公共施設等    深田保育所
            長岡第七小学校
            今里派出所
            保健センター
            乙訓休日応急診療所
            雨水貯留施設

2 校区の環境と特徴

本市は、京阪神への通勤圏にあり、昭和30年代より急速に都市化され、今日に至って
いる。
長七小校区は、宅地化される前は、田園地帯であったが、京阪神の中間に位置し、交通
の便も良く、宅地開発が急速に進んで、新興住宅地となった校区である。現在、農地は長
七小の北側に市街化調整区域として残っている。
校区は小畑川西側に面していて、川沿いには、桜並木があって、校区市民を楽しませて
いる。長七小北側には、田園風景が広がり、四季折々に稲の成長が見られ、校区の風物
詩となっている。
かつて、旅人が「一文」を払って渡してもらったという一文橋は、南北に流れる小畑川を
横切り、交通の要所として栄えたところである。現在は、一文銭をモニュメントにして、後世に
残している。
一文橋から西に続く京都外環状線も整備されたが、長七小校区を南北に二分する形で
東西に走っている。さらに、阪急京都線が校区を分断している。
今日では、京都外環状線の交通量も多く、交通安全対策として多くの交差点に信号機が設置されている。その道路沿いは、商店などが並び、商業活動も活発であり、にぎわっている。

3 校区の状況と課題

 長七小校区の状況と課題を把握し、どのように地域コミュニティの事業活動を充実発展させるかを検討し、推進することにより地域コミュニティの活性化を図る。

 

(1)自治会

ア.状況

 本校区では、平成20年にグリーンフォート長岡京が結成されて、6自治会となっている。加入世帯は1,717世帯で、各自治会では、自分たちの住んでいる地域をよりよくするために、各自治会が特色を出しながら、充実した活動がされている。
今日的な課題である高齢化に対する取組みや防犯・防災の活動、公園や河川の美化清掃・530運動、環境整備、市民運動会や地蔵盆、敬老の集い、サークル活動、募金活動等、充実した事業・活動がされ、地域コミュニティの活性化が図られている。

イ.課題

 自治会によっては、組織率が低下しているが、どうすれば、自治会活動に参加してもらえるか、地域の市民の願いをどう実現するかを検討していくことが求められている。
 特に、地域コミュニティ協議会では、校区すべての市民を対象に事業活動を目指している中で、緊急時や日常生活の中で、要配慮者(自治会加入の有無を問わず)の高齢者、独居高齢者への対応は、自治会としても重要な課題である。

(2)環境

ア.状況

 公園の掃除や除草、道路へのポイ捨てゴミ、小畑川のゴミ、犬の糞、落書き(一文橋下、阪急ガード下)など、環境美化の保全のために、ボランティアで各自治会や団体等が美化活動を実施している。
 特に、有志がボランティアで小畑川の清掃をしているが、校区の生活環境や自然環境を守るという視点から、校区挙げて取り組んでいくことが必要である。
各自治会では、公園などの清掃をして、快適な憩いの場に努め、みどりのサポーターが花などを植えている。学校前の外環状線の歩道には、ボランティアで犬の糞やゴミを片付け、花を植えたりして、地域の環境美化のために御尽力されている。

イ.課題

 校区の環境問題を協議会としても考え、みんなの力で校区の歩道や公園などを美化・整備し、花を植えたりして、花一杯の校区にしたいものです。
 小畑川という校区の資源を活用し、野鳥や水生生物の観察、川の水質調査など、環境について学び、環境を守る活動をして、地域コミュニティ活性化につなげたい。川は危険であるが、正しく教え、川を活用して子どもたちに豊かな体験をさせることも必要である。
 京都外環状線や阪急京都線が長七小校区を通っているので、地域コミュニティに少なからず支障をきたしている。特に、高齢者や障害のある人は、外環状線を横断するのには、危険が伴うと指摘されていて、長七小で校区の事業やイベントの取組や参加に支障をきたしている。

(3)防災・防犯

ア.状況

 かつては、小畑川が天井川であって、宅地開発時には、土盛をして住宅を建築していたが、今は、河川改修工事等で川底を深くし、改修されているので、水害の心配は少なくなっている。さらには、雨水貯留設備も整備され、水害に対する不安も取り除かれている。
 防犯では、空き巣や悪質訪問販売に遭っている事件もあり、玄関にシールを張ったり、被害に遭ったらすぐに回覧で情報を共有するなど、地域挙げて防止対策を取り組んで、効果を上げている自治会もある。

イ.課題

 局地的な豪雨が各地で起こっているので、本市並びの校区でも、想像を絶する豪雨があったらどうなるのか、万一のために地域においても検証し、対策をとって行かなければならない。
 安全安心防犯という点では、子どもたちが安全に登下校できるように見守り隊の活動がされているが、組織化をして活動の交流や充実に努めなければならない。

(4)高齢者・福祉

ア.状況

 少子高齢化の進展に伴い、高齢者や障害のある人への支援、特に、寝たきりや独居者など、要介護者への支援は、地域挙げて隣近所で助け合うことが重要です。校区から「孤独死を出さない」というスローガンを掲げ、日常的な活動をどのようにすればいいか検討したい。
 特に、大地震など自然災害等に対する対策は、綿密な計画や準備が求められます。

イ.課題

 民生児童委員を中心に、各自治会・校区在住の高齢者を対象に、支援を必要とする要配慮者をリストアップされている。校区では、260人の対象者が要配慮者として支援を求めておられるが、非常災害時だけではなく、日常的な支援をどうしていくかが課題である。

ア.高齢者の健康づくりと生き甲斐づくりを目指した長寿校区づくり
イ.単身世帯及び要配慮者への支援
ウ.高齢者が語り合い、集う場と機会

 

(5)地域の子ども育成

ア.状況

 子どもに対する教育支援は、自治会夏祭り・地蔵盆や「みんなのスポーツクラブ」のスポーツ教室、子供会のドッジボール大会、青推協のみんなの集いや食育、「セブンUPすくすく教室」(「放課後子ども教室」)の取組等、子どもたちの健全育成の活動は活発に実施されている。
 学校支援としては、清掃活動をしたり、地域の方に理科の栽培教材を指導してもらう等地域の教育力を活用して学校教育の充実を図っている。
また、自治会によっては、地域のお祭りを実施し、大人や子どもが一緒になってお神輿を担いで練り歩いている。

イ.課題

 地域の力で、校区の子どもたちを賢く健やかに育てるために、何をすればいいのか、何ができるかを地域コミュニティ協議会でも協議しながら、校区挙げて取り組むことが期待されている。
 教育環境を整えるということでは、校内美化活動を取り組んでいるが、更に一層、学校支援活動を充実させて、学校と連携して地域の力で子どもたちが健やかに育つ環境づくりに努めなければならない。
 児童虐待の未然防止など、校区から児童虐待による悲惨な事件が起こらないように、校区を挙げて、校区の安全安心な生活をみんなの力で実現する方策を考えて実施しなければならない。

(6)地域医療

ア.状況

 校区には、府民の健康増進等を取り組む保健センター、入院や緊急医療を担う医療機関、休日の応急医療を実施する休日応急診療所、地域に根差した開業医院等、地域市民の健康を守り、地域医療を担う医療機関が充実している。
新型インフルエンザの流行に対しても、休日や祝日には、多くの患者が休日応急診療所で受診されていて、地域医療に貢献している。


イ.課題

 これらの医療機関を活用し、校区市民の健康づくりを支援する取組を整えると共に、独居高齢者が孤独死されることがないよう、校区挙げて対応できる仕組みや手立てが出来ればと考えている。特に、自治会や民生児童委員が地域コミュニティ協議会で協議しながら、日常の対応とともに緊急時の連絡体制を確立しておくことが大切である。

(7)健康スポーツ

ア.状況

 だれどもが、いつでも、気軽に楽しめる「生涯スポーツ社会」校区づくりを目指して、「みんなのスポーツクラブ」が精力的に事業活動を実施している。「クラブ」では、会員のための活動と広く校区の大人や子どもを対象にしたスポーツ教室が開催されている。
 更には、スポーツフェスティバルでは、体力検査だけではなく、体験をして、スポーツに親しめるコーナーも設置したり、模擬店などで1日を楽しめる取り組みもしている。
 子供会では、各自治会単位でドッジボール大会を実施し、校区の大会を実施し、子どもたちの体力づくりと交流に取り組んでいる。敬老会の協力を得て、一緒にラジオ体操を取り組んでいる自治会もある。
 高齢者に対しても、健康づくりのために定例でゲートボールや気功体操など取り組まれている。

イ.課題

 今後は、個々に応じた健康体力づくりの内容を検討したり、イベント的な取組と定期的な継続性のある取組をしていくことが必要である。特に、高齢者に対しては、健康で長寿の校区づくりを目指して、各団体が取り組んでいくことが求められている。
 各敬老会においても、自らの健康づくりと親睦を目指して、活動をしているが、会員の高齢化と減少が課題となっている。

(8)文化芸術・教養

ア.状況

 各自治会や老人会では、文化祭や作品展、多彩なサークル活動が活発にされている。
 自治会の中だけでなく、もう少しエリアを広げて活動したいとか、友人知人と一緒に活動したい場合には、公民館サークル等で活動されている。

イ.課題

 自治会の枠を外して、少し広げたエリアで新しいサークルを作ったり、自治会のサークルを広げて、校区での文化教養の充実と地域コミュニティの活性化が期待されている。
 新校舎のオープンフロアーや新体育館会議室を活用し、多種多様なサークル活動が活発化するように支援をする。作品展を実施し、作品の即売会やフリーマーケットなど子どもから高齢者までが楽しめるイベントを実施する。

(9)地域振興商工

ア.状況

校区には、商店など多種多様な自営業等がある。地域に根差した商業活動や営業がなされているが、宣伝や利用状況は把握できていない。
地域の商店にお世話になろうという宣伝をしながら、校区に活気をもたらすことができればと考えている。

イ.課題

協議会を立ち上げた機会に、校区の商店等が地域振興会(仮称)を組織し、地域コミュニティビジネスを推進する。校区のイベント等にブースを提供し、地域コミュニティ活性化を図ると共に、地域コミュニティビジネスの機会とする。